前回は診断前の妹の状態をお話しました。今回は診断後、病院を探して通っていることについて。
病院選び、先生との相性と処方された薬と体の相性。
その際、家族がどんな支えをしたのか、どういった感情を持っていたのかをお話します。
・精神科へ通いだす
総合病院に入院中、精神科を受診してパニック障害と診断された妹は、退院後精神科を探しました。ネットで病院のホームページや口コミを探しましたが、もともと神経質気味のため病院を決めるのも色々悩んだようです。
通うのだから家から近い場所を目安に、いくつか候補を出して決めました。
近いと言っても歩いて行ける場所にはありません。外へ出るのが怖いので電車やバスも乗れません。幸い、弟から譲り受けた車があったので交代で私と母が運転をして病院へ通うことに。
車に乗っただけで、発作がでてしまうこともありなだめながら通い続けます。
病院は車で数分の場所でしたが、行くだけで飲み物や保冷剤は欠かせません。
病院の付き添いは、少し苦痛になることもありましたが、妹のためとそこは考えず連れて行く日々。
私と母は、出口が見えない迷路に迷い込んだような感覚を覚えました。
・病院が合わない?
数か月通いだしてから、妹の様子に変化がみえてきました。なぜか私たちを責め始めたのです。
病院から帰ってきても、具合が悪いため家では横になっている妹。病院の付き添い以外にも、甥っ子の面倒や家事をしてきた私たちは、なぜ責められているのかわからなくなります。
「私の辛さをなんでわかってくれないの?病院の先生だけだよ、私をわかってくれるのは」
この言葉に怒りがこみ上げました。全ての辛さはわからないけれど、支えることで回復する手伝いをしていると思っていました。話を聞くと「辛さをわかってくれない家族が悪い」と先生が言ったそう。
私たちは病院を変えた方がいいのではと伝えましたが、妹は気にせず通い続けました。ある日妹が悩みを先生に話すと、「まだそんな甘えたことを言っているのか」との返答。そこで妹もこの先生とは合わないと気づき病院を変えました。
次の病院では先生との相性が合ったようで少しずつ落ち着いてきたのです。
先生への違和感があったり、合わないと感じたときはためらわず病院を変更しましょう。
それは家族が勧めていいものです。本人がわからなくなっているようなら、付き添っている家族が変更を勧めてもいい場合があります。よく観察して先生との相性が合っているのかをみることも支える家族にとって重要です。
・薬の副作用が影響
薬を飲むようになって、しばらくして体に影響が出てきました。それが薬の副作用だとは最初気づかないこともありました。
病院に行って最初に出されたのは抗うつ剤です。これを飲み始めたら太りだしました。同時に依存しやすいといわれる薬「ソラナックス錠」も出たのですが、怖くて飲むことはできず。ただ、どうにも太ってしまったので半年間で抗うつ剤は飲むのをやめました。
太ることが副作用だったことにしばらくしてから気づいたのです。
飲んでいても不安定なのは変わらず、支えている私たちも振り回されているような感覚がありました。
その後、太ってしまう抗うつ剤をやめてソラナックス錠に変更。その間に一度抗うつ剤を飲んだら吐き気やめまいがひどくなり、やはり抗うつ剤は合わないので今後一切飲むのをやめたのです。
ソラナックス錠の副作用は眠気です。外にいるときに発作がでそうになると飲んでいますが、眠くなってしまうし、1日の使用限度数は6粒まででした。
飲む間隔なども考慮して飲んでいたのですが、副作用が大変なときもあります。支える家族も大変です。薬で少しでも楽になったらいいけど体型は変わってくるし、合わないと吐き気やめまいなどが出てしまいそれを見るのは家族にとっても辛いもの。
飲んでからの状態をよく見てあげて、合わないようであれば病院の先生にきちんと言うことが大切です。
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・互いの精神状態にズレが・・・
最初の病院ではさまざまなことがあり、私たちと妹の精神状態にズレが出ていました。
初めての病院だから、精神科とはこういうものなのかと思いましたがよく話を聞けば疑問点が多々ありました。
先生との相性がとても大切です。診察のあとの状態に違和感があれば、支える家族にも影響があります。
実際、私たち家族の場合は精神状態にズレが生じ、私と母は精神的に疲労感があり支えることに疲れている部分が大きくなりました。
それは、回復の兆しがみえなかったから。このままこの状態でいいのか、支えていくことができるのだろうかと見えない不安に押しつぶされそうになるのです。
本人の方が辛いとは思います。ですが、支える家族は投げ出すこともできず支えるしかないのです。本人が自分1人で立てるまで。
病院の先生の相性が合ってくると今までに見えなかったものが見えてきます。互いの精神状態にズレが出てきた場合は、もう一度今の環境(病院の先生や薬)を見直すことが必要なのかもしれません。
・現在も通い続けている
妹は今現在も病院に通い続けています。今は住む場所を変えて自然が多い地元にいますが、そこでも病院を探し薬も処方されて飲んでいます。
ただ、飲む薬の量も減りもっと軽い薬に変更しようと試しています。
最初は強い薬を飲んでいましたが、薬の強さや量、頻度が減ることで回復しているとわかってきます。目で見て認識できるので、本人も良くなっていると思えるようです。
通院や薬を急にやめることはできないけれど、徐々に変化している様子を実感できればそれだけで気持ちが変わるようです。支えている家族もだいぶ楽になりました。
本人が、このままでは嫌だと思い変わろうとしたからですが、そんな思いにできるのは支えている家族の存在があってこそ。
1人ではない、今の自分でも受け入れてくれる人がいるとわかれば少しずつ変わってきます。
支える家族も焦らず、本人に合った病院や先生を見つけてあげてゆっくり進んでいきましょう。きっと、出口が見えてくるはずです。
今回は通院や薬の副作用についてお話しました。
症状の度合いや体質によって薬の強さや量は変わるでしょう。
聞いた話ではこうだったと決めつけず、その人に合った治療法を見つけてあげれば支える家族の負担も減ります。
次回は家にいるときにどんな状態だったか、私たち家族がどう支えていたのかをお話します。